〜メストレに学んだ3つの理念〜
どうもりゅうです。
先日、2026年のカポエイラジェライス東京の昇段式(バチザード)が終了しました。今回はそのイベントレポートと、メストレ マオンブランカのワークショップから受けた感想、学びを綴っていきたいと思います。
2026年8月30日、カポエイラジェライス東京の昇段式が開催され、約40名の生徒さんたちが昇段を果たしました。日々の練習の成果を存分に発揮し、素晴らしい昇段のジョーゴを繰り広げてくれた皆さんの姿には、見ている私たちも胸が熱くなりました。特に大人の上位帯の昇段では、少人数ながらもかなりハードなジョーゴを乗り越え、会場全体が大きなエネルギーに包まれるホーダとなりました。汗を光らせながらも笑顔を絶やさない生徒たちの表情は、日々の稽古の積み重ねがそのまま結果として現れた瞬間だったと思います。
そして今回のイベントを通じて、7年ぶりに再会したメストレ マオンブランカからは、あらためて彼の理念、カポエイラに対する向き合い方を再確認することができました。時間が経っても全くぶれることのないその哲学に触れ、指導者としても、一人のカポエイリスタとしても、自分自身のあり方を見つめ直す貴重な機会となりました。今日は特に印象に残った3つの理念について、詳しくご紹介したいと思います。
理念①:基礎の大切さと反復練習の大切さ
メストレ マオンブランカのワークショップでまず驚かされたのは、参加者の帯の色や経験年数を問わず、全員が同じ「基礎」に真剣に向き合っていたことです。ジンガ、エスキーバといった基本の動きは、初心者にとっては最初に学ぶことですが、実は上級者にとっても一生磨き続けるべきものだということを、彼の指導からあらためて実感しました。
派手な技、例えばマカコやアクロバットの蹴り技はどうしても目立ちますし、多くの生徒がそこに憧れを抱きます。しかし、どれだけ大技を覚えても、基礎となるジンガや重心移動、間合いの感覚が体に染み込んでいなければ、ホーダの中で本当の意味で「使える」動きにはなりません。反復練習は一見地味で、時に退屈に感じられることもありますが、その積み重ねこそが、頭で考えずとも体が自然に反応する自由な即興(アドリブ)、つまり本当のジョーゴの自由さを支える土台になるのです。キャリアを重ねた今だからこそ、初心に帰って基礎を磨き続ける謙虚さの大切さを、あらためて教えていただきました。
理念②:相手を傷つけないこと、危険な行為をなるべく避けること
カポエイラはもともと、格闘的な要素と音楽・ダンス・ゲーム性が融合した、世界でも珍しい文化です。ホーダの中には蹴りや投げ技、すれすれの攻防が数多く登場しますが、実際に相手に技を当てるかどうか、そしてどこまで踏み込むかは、プレイヤー自身の判断とコントロールに委ねられています。だからこそ、相手のレベルや体格、その日のコンディションを瞬時に見極め、力加減や技の選択を調整する能力が非常に重要になります。
特に子どもや初心者、経験の浅い生徒と対戦するとき、力任せに技を仕掛けることは簡単ですが、それは「格好よく魅せる」こととは全く違います。むしろ、相手を追い込みすぎず、安全にジョーゴを成立させることこそが、真に実力のあるカポエイリスタの証だとメストレは繰り返し語っていました。こうした安全な空気がホーダの中に保たれているからこそ、参加者は安心して新しい技や間合いに挑戦でき、教室、グループ全体の信頼関係が育っていきます。帯が上がれば上がるほど、この「相手を守る責任」は重くなっていくのだと感じました。
理念③:初心者や経験の浅い人に対して、敬意を持ってプレーし、相手の良さを引き出すようにプレーすべき
カポエイラのホーダは、帯の色や経験年数に関わらず、その輪の中では誰もが対等な一人のカポエリスタとしてジョーゴに参加します。経験の浅い生徒と対戦するとき、実力差を見せつけるように圧倒するのではなく、相手が思わず良い動きを出せるような間合い、リズム、技を選んで導いてあげることが大切だ、とメストレは強調していました。
これは単なる技術論ではなく、口伝えで師から弟子へと受け継がれてきたカポエイラの精神性そのものだと感じます。先輩やインストラクターがこうした敬意ある姿勢を体現することで、初心者は安心して挑戦を重ねることができ、結果として長くカポエイラを続けられるコミュニティの土壌が育っていきます。実際、今回のバチザードでも、上位帯の生徒たちが年下の生徒や初心者に対して温かく、しかし本気で向き合うジョーゴが随所に見られ、会場には終始あたたかい一体感がありました。
おわりに
今回のバチザードとメストレ マオンブランカのワークショップを通じて、技術的な成長はもちろんですが、それ以上に「基礎を大切にすること」「相手を傷つけないこと」「敬意を持って相手の良さを引き出すこと」という3つの理念の重みをあらためて胸に刻むことができました。
カポエイラジェライス東京では、これからもこうした理念を大切にしながら、初心者の方からベテランの生徒さんまで、誰もが安心して自分らしいジョーゴを楽しめる教室であり続けたいと思います。カポエイラに興味を持たれた方は、ぜひ一度体験レッスンにお越しください。皆さんと一緒にホーダを囲める日を楽しみにしています。


