ダンダラ

カポエイラの歴史において、ひいてはブラジルの歴史において、ズンビという人物は有名で大切な存在です。
それと同時にズンビの妻ダンダラも、女性のリーダーとして、戦う自立した女性の象徴としてとても大切な存在です。

今回はそのダンダラについて詳しく調べたので解説したいと思います。

・ダンダラ(Dandara)とは


ダンダラ・ドス・パウマレス(Dandara dos Palmares)は、17世紀のブラジルで活動したアフリカ系の女性戦士であり、奴隷制度に抵抗した英雄の一人です。彼女は、ポルトガル植民地時代のブラジルで、逃亡奴隷が築いたパウマレス王国(Quilombo dos Palmares)の重要な指導者の一人でした。


1.パウマレスとは
パウマレス王国は、逃亡した奴隷たちが築いた独立した共同体(キロンボ、quilombo)で、現在のアラゴアス州(北東部)に位置していました。16世紀末から100年以上にわたってポルトガル軍や植民地当局の攻撃を受けながらも、奴隷制度から解放された人々が自由を守るために抵抗し続けました。

2.ダンダラの戦士としての役割
ダンダラは、パウマレス王国の有名な指導者ズンビ・ドス・パウマレス(Zumbi dos Palmares)の妻であり、同時に彼と並ぶカポエイラを操る戦士でもありました。

武術に長け、ポルトガル軍との戦いに参加し、王国の防衛を指揮し、戦略を立案し、食糧生産や共同体の維持にも貢献しました。
彼女は単なるズンビの伴侶ではなく、独立した指導者としてもパウマレスの存続に大きな役割を果たしました。

3.ダンダラの最後
1694年、ポルトガル軍はパウマレス王国を襲撃し、最終的に王国は陥落。ダンダラは捕らえられましたが、奴隷として生きることを拒み、自ら命を絶ったとされています。彼女の正確な死因については記録が曖昧ですが、彼女が最後まで自由を求め続けた象徴的な存在であったことは確かです。

・ダンダラの遺産と影響
近年、ダンダラはブラジルにおける黒人女性の象徴として再評価されています。
フェミニズムや黒人解放運動の文脈で「強い女性戦士」の象徴として語られることが多いです。カポエイラの歌にも登場しています。
彼女の名前を冠した社会運動や団体も存在し、現在も彼女の精神が受け継がれています。
ダンダラ・ドス・パウマレスは、ブラジル史の中でも特に重要な女性の一人であり、現在も多くの人々にインスピレーションを与え続けています。例えば2018年にはブラジルの会社から「ダンダラ」というゲームも発売されました。

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