カポエイラのホーダで周囲に目を配る重要性

カポエイラのホーダでは、様々なことが同時に次々と行われ、連続的に流れていきます。
2人のジョーゴが入れ替わりながらおこなわれ、楽器も入れ替わりながら演奏され、歌も歌い手が入れ替わっていきます。
楽器の演奏者、歌い手、ジョーゴをする人、ホーダの周りで歌ってパウマをする人、それぞれ参加者皆が周囲に気を配ることが良いホーダを生み出すことの大切な要素です。

・ホーダをコントロールする人の役割

ホーダ全体をコントロールするのは、ビリンバウのグンガを叩いている人が多くの場合担います。

グンガの役割は、ジョーゴする2人を注視し、ホーダの参加者がコンプラしたり、抜けたりするバランスを把握し時に静止したりコンプラを促します。楽器全体のスピード、音の大きさや熱量、楽器の交代にも気を配り、コーラスを歌う皆のアシェや熱量を見ながら歌う曲の種類やスピードを考えます。これらを全てビリンバウを叩きながら、リードを歌いながら、あちこちに目を配り考え、目線や少しの表情、身振りなどで皆に伝えていきます。

・リード以外の楽器が気を配るべきこと

グンガ以外の楽器は、楽器の演奏そのもの以外に以下のようなことを考える必要があります。
リード (グンガ)の演奏、歌のスピード、抑揚を把握しそれに合わせる必要があります。具体的には、早くてエネルギッシュな歌と演奏が始まると、それに合わせて演奏の熱量をあげたり、ゆっくりと落ち着いた演奏をしている時には同じように演奏します。時にはトーキが切り替わったり、立ち上がってスピードを極端にあげたりと大きな変化もありえます。

グンガ以外の楽器もリードを歌うことが多々あります。その場合、歌の選曲やスピードがホーダの流れにあっているかも考える必要があります。またよくあるのがリードを歌っている人がリードを代わってほしい様子を目配せなどで意思表示することにも気がついてあげるのが重要です。

・ジョーゴしている2人

ジョーゴを行なう2人は、ホーダの周りにぶつかって事故を起こさないようにする、コンプラしてくる人に気がついて危険なくスムーズに交代する、ビリンバウや歌の指示を聞いて、シャマーダやヴォウタドムンド、ジョーゴの内容やスピードを考える、などといったことを頭に入れておくのが重要です。
しかしまずジョーゴの動き、やりとりそのものが危険もあり、相手の動きや自分の動きに集中しコントロールすることが先決です。

・ホーダの周りでパウマをしコーラスを歌う人

ジョーゴする2人の動きにも急にぶつかられないように気をつけながら、リードの歌うリズムや曲に合わせていきます。ホーダの形が崩れていないか、子供が飛び出したり危険な行動をとらないかなども考えるとよりスムーズにホーダが進みます。
楽器の誰かと代わってあげる必要がないか、ビリンバウの弦が切れるとすぐにビリンバウの予備を取りに行く、初心者の人がどうすればいいかわからない様子だと、こっそり教えたりサポートしてあげる、などもとても親切ですね。

こうした一連の気配りというのは、全てカポエイラにとって付属的なことではありますが、良いホーダをして全員で楽しむためには、アドリブで皆で協力して良くしていくというのがカポエイラの醍醐味の一つでもあります。

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