どうもりゅうです。
カポエイラの歌の歌詞で、「Dende(デンデ)」という言葉がとても頻繁に出てきます。
実はカポエイラにとって特別な言葉であるDendeを、今回は解説します。
Dende (デンデ)
カポエイラの歌詞にででくるdendeとは、ブラジルで使用されるデンデやしから取れるデンデ油(パーム油 )のことです。
食用で赤色の油で、特にカポエイラ発祥の地バイーア地方でよく料理に使われます。
独特の風味や匂いがあり、バイーア料理にとっては欠かせないもので、実はバイーアの人々にとっては、日本人の味噌や醤油のような、バイーアの食文化を代表するようなアイテムです。
カポエイラの歌では、Dendeは「エネルギー、エネルギッシュさ、上手さ、うまい人」というような意味で使われることが多いです。
Ele e dende.(彼はエネルギッシュだ、彼は上手だ)
Capoeira tem dende.(カポエイラはエネルギーがある)
というような感じです。
ではなぜ食用の油であるデンデが、エネルギーや上手さという意味になるのでしょうか。
・Dendeの由来
デンデ油はバイーア料理に欠かせないものであり、サルバドールのアフリカの影響を受けた文化に根ざしてきました。
デンデとは種類が異なりますがパーム油はアフリカのいくつかの地域でも用いられる食材で、アフリカから来たブラジル人が料理に使用し始めたと考えられています。
食事だけでなく、宗教的な慣習にも使用されてきました。
カンドンブレというバイーア発祥の黒人中心の宗教では、儀式の際に食事に使われたり、体に塗るなどさることも稀にあるそうです。
そういった宗教の場では精神的に向上したり宗教的に神に近づくというようなアイテムとして考えられたりしてきました。
そのような環境で、古くからデンデは身近な食材でありながら特別な存在としても普段から扱われていたのです。
カポエイラの歌詞でもデンデは自身のエネルギーを高める存在として表現され、それがエネルギッシュな人またはホーダそのものの比喩としても使われるようになったのです。
エネルギッシュなジョーゴは目指すべきカポエイラであり、それが達人のような意味としても取れるのです。