なぜカポエイラの歌の歌詞に漁師の歌が多いのか?

カポエイラの歌の歌詞には、よく漁や漁師、船乗りが登場します。
海や海の女神など、様々なタイプの内容の歌があります。
これはきちんとした理由があります。

カポエイラの発祥はブラジルの最初の首都、サルヴァドールです。
サルヴァドールは港町であり、ポルトガルからの船が最初に到着する場所でもありました。
また、地域の特色として漁業も盛んであり、魚を取って生計を立てている漁師も多く住んでいました。

船乗りや漁というのは、18〜19世紀ごろはとても重要な肉体労働であり、比較的低所得な労働階級、または奴隷の仕事とされていました。こうした階級は、カポエイラをしていた人々と重なります。
カポエリスタの多くが、漁師や船乗りであり、また街の人々の生活に海や船や漁といったことが密接に関わっていたのです。

古いカポエリスタ達は漁の取れ高や海の荒れ具合、船の進行などを日々考えながら生活し、その合間にカポエイラをしていたわけで、自然に歌にはそうした身の回りのことが歌われてきました。

またサルヴァドール近郊のマセイオ、レシフェ、ナタウも港として、漁師の街として有名です。
こうした地域も古くからカポエイラが親しまれていた地域でした。

リオやサンパウロで多くカポエイラが広まった後も、そうした歴史を踏まえて海や漁に関わる歌が作られ歌われていきます。

海や漁に関わる歌の有名なものには、次のようなものがあります。

Saia do mar, Saia do mar marinheiro.
(船乗りさん、海から上がってきて)

Mare mare vou pra ilha de mare
(海、潮、イーリャジマレーに行こう)

Beira mar io io, beira mar ia ia
(海沿い)

A mare ta cheia io io , a mare ta chiea ia ia.
(潮が満ちている)

Eu nao sou daqui, marineiro sou.
(私はこの土地の人でない、船乗りだ)

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