これができる人はカポエイラが上手い

どうもりゅうです。

今回はカポエイラを練習している人に意識してほしい、「こんな動きができる人はカポエイラが上手い」「こんな動きが上手だと他人から思われる」「達人はこんなことを意識している」という点を解説していきます。こちらは同内容のご質問をいただき、記事を書くことにしました。

・そもそもカポエイラが上手いとは
カポエイラが上手い、といっても様々な定義、考え方、感じ方があります。
ブラジルの年配のメストレとそのような会話をすると、「カポエイラが上手いとは、仕事や家庭、その他ありとあらゆる問題に上手く対処するということだ」とか、「カポエイラが上手いというのは、突発的な事故、急にふっかけられた喧嘩にでも動じない精神をもつことだ」とか、「カポエイラが上手いということは、カポエイラを長い年月続けられるというということだ」といったような、精神的なことや、”とんち”のような回答を何度も聞いたこともあります。
もちろん、精神的なことを学び成熟するということもとても大切ですが、今回はそういったことではなく、また音楽性も省いて動作にのみ限定して考察していきます。

・動作におけるカポエイラが上手いとは
動きに関しても、カポエイラが上手いという価値観は、グループ、メストレ、先生、それぞれの人によって多種多様に異なります。姿勢や技の形はもちろん、カポエイラの技を使って何をするのか、何を目指すのかという根本の部分も、少しどころか全く異なるほどカポエイラは多様です。
この記事ではなるべく普遍的にどのスタイルのカポエイラでも共通して参考になるように、またカポエイラに真剣に打ち込み始めた初心者、中級者向けに参考になるような内容をお伝えします。
皆さんのグループ、教室のスタイル・フィロソフィーに基づいた「上手さ」についてはご自身の先生にぜひ質問してください。

技・姿勢の正確性・美しさ・技術

カポエイラが上手くなる、上手に周りから見られるためにまず最重要なのは、一つ一つの動きの正確さ、美しさ、技術です。
動きの「再現性」ということは、どのプロスポーツやダンスでも重要視されます。カポエイラでもここはとても重要です。
再現性とは、自分のやりたい動きや一度行動した動きを完全に再現すること、または理想とする動きをイメージしていかに再現できるか、ということです。

例えば良い投球をする野球のピッチャーは、投球フォームを毎回変えたり崩すことなく同じ動きを再現することができます。プロゴルファーや体操選手なども同様です。
これはカポエイラでもとても重要になってきます。
膝を伸ばす、曲げることや、回転してもバランスを崩さず姿勢をコントロールしてイメージ通りに動くこと、など動きをイメージ通り再現することができれば、とても”上手”に見えます。

しかしこのイメージを再現するというのは、多量の努力が求められます。
何千、何万と同じ技を反復して練習し、さらに練習のたびに体の細部まで意識を巡らせて正しいフォームを目指し、時には自分の動画や他人のアドバイスをもとに修正していく努力が必要です。
またある程度必要な柔軟性、筋力、体力が、イメージを再現するには求められます。

私の個人的な印象なのですが、日本人のカポエリスタは海外、特にブラジルの人に比べこの点があまり得意でないように思います。おそらくそれは、後述する「戦術」「戦略」という、いかに技を有効に使うか、技を用いて駆け引きを有利にするかといった部分に、技の再現性が未熟なうちから重きを置いて練習することを好む傾向があるからと考えています。
基礎をコツコツ反復して継続的に努力することは、日本の国民性や武士道精神等にもマッチしているはずなので、練習の意識を変え努力すれば急に上手くなる、ということもあるでしょう。

駆け引き、戦術的な上手さ

相手との駆け引きは、まず自分の動きを思ったようにコントロールすることが満足に行えていないとできません。自分の動きやバランスに不安があったり、ほんの一瞬でも動きを思い出したりしていると、駆け引きに有効に技を使えるということが難しい部分もあるので、動きの基本を身につけることはまず重要です。

その上でジョーゴの駆け引きが上手くなるにはまず、

①相手の動き出しを見て、今まさにどの技がくるかすぐに判断できること
②相手の技、動き、姿勢から、相手のさらに次の動きをいくつか想定できること
③自分の動き出しや姿勢から、相手がどういう反応、動き、技をしてくるかいくつか想定できること

これらが基本となります。

これらを身につけるためには、

①動きの繋がり、技の連携をが自分の動きとしてできるよう繰り返し練習する
②相手と組み手練習をすることで、対面で様々な動きを想定する練習を繰り返しおこなう。
③実際のホーダのジョーゴを何度も練習して経験し、ジョーゴ中でも自他両方の動きを想定できるようにする。

こうしたことが重要です。


技の再現性や美しさに関しても、相手との駆け引きに関しても、つまるところは何度も反復しての練習が重要、ということです。どんなスポーツでも当たり前ですね。
ただこうした意識を持って繰り返し練習するのとそうでないのとでは、ゴールが明確な分より効果的に練習できるでしょう。


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