ホーダの中での歌からの指示

カポエイラの歌には、ホーダの中で何かの意図、メッセージをもつ場合があります。
歌はポルトガル語で歌われるため、日本人はただコーラスを歌うだけでなく意味も理解していないと、その歌い手の意図が汲み取れないこともあるでしょう。

この記事では、歌の持つ意図をいくつか紹介していきたいと思います。

ただ重要なのは、すべての歌がホーダの進行に指示を出すような意図があるわけではないということです。また今から紹介するような歌も、意図も指示もなく、ただ一連の歌の流れの一つとして歌われることも多々あります。歌の持ち得る意味を知った上で、その場の状況を考え空気を読んで、今この歌をどういう意味で歌っているのか、または特に意味はないのかを判断しましょう。

カポエイラの闘争・激しいゲームを喚起させる歌

激しく戦うことを示唆するような歌、フレーズはカポエイラの歌に度々登場します。
一例を挙げていきます。

・ Oa, oaê Topei quero ver cair
オーアーオアエー トペイ ケロベーカーイー
(ぶつかって倒す、倒されるのを見たい)

・Zum Zum Zum Capoeira Mata um
ズンズンズン カポエイラ マタウン
(カポエイラが1人やっつけた)

・Quebra Gereba quebra
ケブラ ジェレバ ケブラ
(壊せ )

・A bananeira caiu
アバナネイラ カイウ
(バナナの木が倒れた)

これらは倒す、倒されるという歌詞にもとづいて、相手を倒すような攻撃的な動き、やりとりを求めるために歌われることが度々あります。

激しいジョーゴを咎める、諌める歌

先例とは逆に、ヒートアップした状況を咎める歌もあります。

・O dona alice não me pegue não
オ ドナ アリス ナオミ ペギナオン
(アリスおばさん、私を捕まえないで)

・Vivo no ninho de cobra
ビーボ ノ ニーニョジ コブラ
(蛇の巣に住んでいる)

その他ジョーゴに指示を出す歌

・Ai Ai Aide ela joga bonito que quero aprender・・・美しいジョーゴをするよう求める場合
アイアイ アイデー エラ ジョガ ボニート キケロ アプレンデー
(アイデーさんは綺麗にジョーゴする、それを学びたい)

・Jogo de dentro Jogo de fora ・・・ジョーゴの距離感や、停滞したジョーゴに変化を出すよう求める場合
ジョゴジデントロ ジョゴジフォーラ
(中に入ったり出たりするジョーゴ)

・Devagar devagar・・ジョーゴをゆっくりするように求める場合
ジヴァガー ジヴァガー
(ゆっくり ゆっくり )

今回いくつか思いつくかの歌を紹介しました。
これら以外にも沢山の、歌い手の指示を含むような歌があります。
しかし再度になりますが、上記の歌でも、紹介したような意味を持たないことも多々あります。
私も特に何かの指示を出す意図もなく、上記の歌を歌うことがあります(むしろその方が多い)。

大切なのは「空気」を読んで、状況を見てその場で判断をする、そのヒントが歌にもあるということです。





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