カポエイラで使用する楽器の中で、メインとなるものがビリンバウです。
カポエイラで使用する楽器の中でも最も特徴的で、見た目にも気を引くデザインをしています。
この珍しい楽器ビリンバウの起源や歴史を解説したいと思います。
ビリンバウそのものについての説明はこちらをご覧ください。
https://capoeira-tokyo.com/column/page/toha/toha200206.html
ビリンバウの起源
ビリンバウはアフリカからブラジルへもたらされました。アフリカで最も古い文化の1つであるアンゴラの人々によって、より正確にはバントスの人々の到着とともに持ち込まれました。アフリカには瓢箪を用いた楽器がいくつもあり、ビリンバウもその一つと言えます。
ブラジルへはアフリカ系民族によりもたらされましたが、弓のような形をした楽器「ミュージル・ボウ」は、紀元前1万5000年頃からすでに使用されていたと考えられています。現存する弦楽器で最も古いものは、ハープ、リュートなどで、これらは紀元前4000年には存在しています。弓のような形状の楽器としてはハープが最も古い楽器になります。様々な研究では原始的な弦楽器は現在のエジプトまたはインド南部で発生したと考えられています。
ビリンバウのカポエイラへの使用
カポエイラが誕生した頃はビリンバウとは関係がなかったと推測されています。
アタバキと同様の太鼓が使われ、パウマとそれによって音楽が生み出されていたという資料が残っています。
1763年にジャン・モーリス・ルゲンダスによって出版された本「ピトレスカ・ヴィア・ド・ブラジル」に記録された「Kriegsspiel」(戦争の遊び)と題された彫刻があります。この彫刻にはビリンバウはなく、小さな太鼓があり、ホーダの周りでは、人々が歓声を上げて拍手している様子がみえます。
1834年から1839年の間にフランス人ジャン・バプティスト・デブレテによって出版された「ブラジルへの絵のように歴史的な旅」と題された別の作品は、露天商が顧客を引き付ける方法として、ビリンバウを演奏している、カポエイラとリンクさせないイラストもあります。
19世紀の後半ごろカポエイラがカポエイラに導入され一般的なものとして広まっていきました。時がたつにつれ、ビリンバウはカポエイラの中で最も重要な楽器となり、ホーダの指揮を執るようになります。
また植民地時代から奴隷地区内ですでにカポエイラで使用されていたと信じている説もあります。