カポエイラの動きには、筋力と柔軟性が両方必要です。
ポンチ (ブリッジ)やキックなどは際たるもので、筋力と柔軟性がどちらもないとパフォーマンスの高い動きはできません。
しかし一方で筋力と柔軟性は反比例するともいわれます。
例えば子供が体が柔らかいのは、筋肉と関節自体の柔らかさだけでなく、大人に比べて筋力が少ないことも影響しているとされています。
ではどのように筋力と柔軟性をともなったカポエイラの動きを作り出すのでしょうか。
筋力及び筋肉量と身体の柔軟性の関係性について
筋力や筋肉量と身体の柔軟性は、一般的に相反する要素と考えられることが多いです。しかし、実際にはこれらの要素は相互に影響を及ぼし合い、適切なバランスを取ることで、運動機能の向上やケガの予防につながります。
筋力・筋肉量と柔軟性の基本的な関係
筋力とは、筋肉が発揮する力のことであり、筋肉量は筋繊維の肥大によって増加します。一般的に、筋肉量が増加すると筋肉の硬さが増し、柔軟性が低下すると考えられがちです。しかし、筋肉の柔軟性は筋肉の質やトレーニング方法によって大きく左右されます。
例えば、ウエイトトレーニングを中心とした筋力向上を目指す場合、筋肉が短縮しやすくなり、関節の可動域が狭まる可能性があります。一方で、適切なストレッチングや可動域を意識したトレーニングを取り入れることで、筋肉の柔軟性を維持・向上させることが可能です。
筋力向上と柔軟性の関係において重要なのは、筋収縮と筋伸展のバランスです。筋肉が硬くなる要因としては、以下のようなものがあります。
筋肥大による筋繊維の短縮:筋肉が肥大すると、筋繊維が太くなり、収縮した状態が続くと筋肉が硬くなりやすくなります。
筋トレ後の筋肉の緊張:ウエイトトレーニング後は筋肉が収縮しやすく、適切なストレッチングを行わないと、可動域が狭くなることがあります。
姿勢や動作の偏り:特定の筋肉ばかり鍛えると、筋バランスが崩れ、柔軟性が低下する可能性があります。
しかし、適切なストレッチングや動的ストレッチ、ヨガなどを取り入れることで、筋力と柔軟性のバランスを保つことが可能です。
●柔軟性を保つためのトレーニング方法
筋力を向上させながら柔軟性を維持するためには、以下のようなトレーニング方法が有効です。
ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)
筋肉を温めながら可動域を広げるためのストレッチです。運動前に行うことで、筋肉の柔軟性を高めつつ、ケガのリスクを減少させます。
PNFストレッチ
筋肉を収縮させた後に弛緩させるストレッチ方法で、柔軟性向上に効果的です。
フルレンジ・オブ・モーション(ROM)を意識したトレーニング
フルスクワットや深いランジなど、関節の可動域を最大限に活かした筋トレを行うことで、筋肉の柔軟性を維持することが可能です。
適切な回復とケア
筋トレ後にストレッチやフォームローラーを使うことで、筋肉の緊張をほぐし、柔軟性を維持することができます。
筋力及び筋肉量と柔軟性は、単純に対立するものではなく、適切なトレーニングとケアを行うことで両立が可能です。筋肉量を増やす際にも、可動域を意識したトレーニングやストレッチを組み合わせることで、柔軟性を保ちつつ、運動機能の向上を目指すことができます。したがって、筋力トレーニングと柔軟性向上をバランスよく取り入れることが、カポエイラに効果的な身体作りの鍵となります。