今回もブラジル旅行記の続きです。前回のサルヴァドールの続きから、最終目的地のベロオリゾンチへと記していきます。
サルヴァドールではカポエイラのイベントやあちこちの綺麗なビーチ、行きつけの景色のとても綺麗なカフェ、多彩な観光名所など、2ヶ月の滞在でも楽しい思い出がたくさんあります。
中でもとある週末に開催されたカポエイラのイベントがとても印象的でした。
ホームステイ先のお母さんが「あんたカポエイラ要塞でカポエイラのすごいイベントやってるの知ってる?」と言われ、半信半疑で夕方に足を運んでみました。
カポエイラ要塞とは、正式名称をForte de Santo Antônio além do Carmoというのですが、観光地にほど近い高台の要塞の中の部屋という部屋に沢山のカポエイラ道場が詰まっているという、カポエリスタや観光者にもとても有名な場所です。私の通っていたホーダや練習もここでいつもここでありました。
そのイベントはⅡ rede de capoeiraというイベントで、すごく沢山のカポエリスタ、客、メディアが集まっていました。
ついてすぐ始まったホーダには、Mestre Joao Grande, Lua rasta, boca rica, Jogo de dentro, Gato, Gildo Alfineteなど、一同に会することなど今ではなかなか見られないようなとても豪華なメンバーが並んでいました。
豪華すぎるバテリアと豪華すぎるジョーゴを食い入るように見ていたのを覚えています。
その時撮影した動画
こうした楽しいイベントもありながら、サルヴァドールを去りいよいよ1年のブラジル滞在の一番の目的地、カポエイラジェライスの本部があるベロオリゾンチに引っ越す日がきが来るのですが、その引越しの日に1年の滞在で一番のアクシデントがありました。
朝5時に家を出て、巨大なスーツケースとカバンを両脇に抱えまだ誰もいないバスターミナルへ向かうと大きな広い階段の途中で包丁を持った強盗に襲われます。
強盗はホームレスの40~50代くらいの男性1人で、痩せてみすぼらしい格好でした。
はじめ横から声をかけられ、よくある物乞いかと思って無視して歩いていたら、前に包丁を持って立ちふさがられました。
財布を出せと言われ、早朝で誰もいないとはいえ、バスターミナルなので誰か来てくれないかと思いながら大きなスーツケースの鍵を開けるのに手間取るふりをしながら(本当は財布は手持ちカバンの中)、1分くらい時間を稼いでいました。時間をかけていると強盗もどんどん焦って、詰め寄り、私のポケットに手を突っ込んできました。そこにアイフォンがあったので思わず払いのけたら、そのまま襲いかかられてもみ合いになってしまいました。
包丁がボロボロで、ホームレスも痩せていたので立ち向かい、包丁を鷲掴みにして相手の手を叩いて奪うと、相手は私を階段からつき落とそうとしました。手すりになんとかしがみついて崩れると、強盗はそのまま階段を上がって逃げていきました。
手のひらと肩の後ろに軽い切り傷ができましたが、大事にはならず何も取られず逃れられたのは幸いでした。ちなみに階段の途中でもあったので、カポエイラの技は全くその時使えませんでした。3時間後には飛行機でサンパウロに向かう予定だったため、警察にもいかずそのまますぐ空港に向かいましたが、人の敵意と命の危険をまざまざと感じるのはショッキングな経験で、サンパウロについてからホテルでもあまり寝付けず熱が出たのを覚えています。
そんなこんなでサンパウロから長距離バスでベロオリゾンチのメストレマオンブランカの道場へと向かうと、懐かしい景色と仲間が待っていてくれました。