闘うことと相手を傷つけないことのバランス

どうもりゅうです。

先日金沢で子供、学生のカポエイラの全国大会が開催されました。

カポエイラジェライス東京からも1人が出場しました。
中学生の部では京都のカポエイラジェライスの選手が優勝しました。
その決勝戦での審査員の総評コメントが、カポエイラの大切な部分を表していたと感じ、
自分なりに詳しく解説したいと思います。

「相手と闘い勝とうとすることと、相手を傷つけないようコントロールすること、両方のバランスをとり同時におこなう」これはカポエイラの上達のために目指すべき大切なことです。

具体的にどういうことかというと、
相手と戦う、そして上回って勝ちたいという目的でジョーゴする場合、相手の近くでジョーゴし、速く力強くジョーゴすることが多いです。また相手を転ばせる技を繰り出し、頭に向けてキックを避けにくいように蹴りを繰り出し、お腹を突き飛ばすように蹴りを当てたりします。一方カポエイラは相手を怪我させることは絶対にだめで、かつ痛い思いをさせることも避けるべきというルールがあります。

ですので相手の頭に向かって速く力強く蹴るけれども、万が一相手に当たりそうなら蹴りを止める、コントロールする必要があります。また相手を転ばせても、怪我をしないように加減したりコントロールする必要があります。近い距離で素早く力強いアクロバットをおこなうのですが、相手にあたらないように気をつけます。

このように真逆に思えることを同時にやる、バランスを取るのがカポエイラの本質でもあるのです。

例えば相手を傷つけないようにカポエイラのジョーゴをするという目的を重視するなら、「相手から離れてゆっくり動く」だけでも簡単に達成できます。私も実際に超初心者の人とジョーゴするときや、小さな子供とジョーゴするときは、相手の動きをなるべく引き出すためにそのようにジョーゴすることは多々あります。
しかしそのままでは迫力のあるジョーゴや美しいジョーゴには中々辿り着きません。

一方相手の技量を考えずに、または相手の動きを配慮せずに激しいジョーゴをしてしまうと、そのジョーゴでは相手を防戦一方にして上手くできたつもりでも、相手や自分が怪我をしなかったのは「たまたま」であり、いつかは誰かが怪我を負う危険な行為です。それはカポエイラの本質的な「上手さ」とは真逆のものです。

このようにバランスを取るのは重要ながら難しいことで、さらには感情のコントロールも必要になってきます。それをできるようになるには日々地道な練習と、経験を積むのが必須です。実はカポエイラのこうした難しさは、楽しさや面白さでもあります。

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