どうもりゅうです。
カポエイラの歌の歌詞にはたびたび「iê」という言葉が使われます。
イエと読むのですが、実は歴史的にさまざまな意味や、使われる場面があったのです。どのような意味があるのか、どう使われているのかを解説します。
iê(イエ)とは
ラダイーニャの後歌われるシューラに出てくる印象が強い「イエ」の言葉ですが、ホーダの中ではグンガを持つメストレ、ホーダの管理者がたびたび合図として使うことがあります。
歴史的にカポエイラは禁止されていた時代が長くあります。カポエイラの文化は迫害され刑罰の対象でもあったため、カポエリスタ達はたびたびカモフラージュしたり、コミュニケーションをとり抑圧や取り締まりを逃れるための「暗号・合図」を持つ必要がありました。
カポエイラが禁止されていた時代には、「iê 」はホーダを終了させ、取り締まる警察や、軍、何かしら危険なものの接近を知らせる合図として使われました。これはまさにビリンバウのトーキ「カヴァラリア」と同様の警告として使われていました。
また、「iê」は集中力を高めたり、自分の信じるものへの祈りを捧げたり、その祈りへ返事を返したり、といった意味の言葉として使われることがたびたびあります。まさにシューラの「イエー ビバ メウデウス カマラ」といったフレーズに出てくるイエーがまさにこの意味です。
また「iê」はホーダの中で、リズムを崩したジョーゴをするカポエリスタへの警告や、ヒートアップしすぎて周りが見えなくなっているカポエリスタへの警告、ジョーゴをやめて次の待っている人にジョーゴを受け渡すように促す合図など、様々な意味での警告、合図として使われることがあります。
このように、「イエ」の合図は歴史的にも特別な合図としてカポエイラのホーダに使用され、今でもさまざまな場面、用途で使われる言葉です。英語の「yeah」と似ているので、間違えて喜びやOKの合図としてとらえないように気をつけましょう。