どうもりゅうです。
カポエイラについて取り上げられる漫画などで、「田植え」という言葉がたまに登場します。これは、カポエイラを知らない人がカポエイラ(特にアンゴーラ)を見て田植えのような動きをしていると感じることからきているのかと思います。
田植えという表現がなんとも日本らしいと思うのですが、一体どういう動きがそのように表現され、格闘技ともとても程遠い田植えのような動きが、どんな意味を成しているのかを解説したいと思います。
カポエイラの田植えとは何か?
これは、主にカポエイラアンゴーラで使われる、手のひら、または指先を地面にタッチするような動きを指しています。
ジンガのステップと一緒に使われることも多く、四六時中繰り出す訳ではなく、様々な動きの流れの中のアクセントとして使われます。
相手との攻防で攻撃、回避などのやりとりとはまた一種異なる意味合いを持っています。
カポエイラでは相手を惑わすような動きを随所に挟みます。
また、動きの中に様々な表現を加えて、心の余裕、痛み、怒り、激しさ、楽しみなどを表すことがあります。また全く意味のない動きを、意味もなく入れることもあります。
田植えのような手の動きも、ある種の「表現」なのです。
ある時は相手を撹乱させるため、ある時は田植えの動きを含めた流れ全体で自分のカポエイラらしさを表現するため、ある時は意味もなく合間のタイミングでただ繰り出す、そういった曖昧でもあり自由なものなのです。
こうした表現のための動きは他にもあります。マンジンガとも呼ばれるような相手を惑わすような動きも多々あります。
手や腕を使ったり、滑らかな身体全体の動きの流れで表現したり、顔の表情やちょっとした仕草なので相手や周囲に自分意思を伝えたり、逆にわからなくさせたりする、カポエイラ独特の精神、理念のような部分から来ているものです。
田植えのような動きを使うかも人それぞれで、同じように表現するためにもっと別の特殊な動きを用いるカポエリスタも大勢います。
それらはメストレから学んだものや、自分の経験から編み出されたものでもいいのです。
もしあなたが、見よう見まねでなく完全に自分のものとして「田植え」のような動きをジョーゴに取り入れられているなら、初めてそこでこういった動きは意味を成すでしょう。そうなるためにもまずは見よう見まねで練習を続けることが第一といえます。