Besouroが作った曲

どうもりゅうです。
今日はカポエイラは勿論、ブラジル人全体の中でも有名なビゾウロ・マンガンガにまつわる曲について書きたいと思います。
カポエイラの曲には、ビゾウロ・マンガンガという人物について歌われた曲が数えきれないほど沢山あります。
ビゾウロ・マンガンガについて知らない人はまずこちらをご覧ください。

ビゾウロ・マンガンガ

カポエイラの世界にはビゾウロにまつわる曲は沢山ありますが、ビゾウロ本人が作ったとされる曲が歌い継がれています。

Quando eu morrer
Não quero choro nem vela,
Também não quero barulho
Na porta do cemitério
Eu quero meu berimbau
Eu quero meu berimbau
Com uma fita amarela
Gravada com o nome dela

カポエイラの古い曲はほとんどが誰が作曲したのかわからないようなものばかりですが、100年以上前に生きたビゾウロ本人が作ったとして口伝で現在にもこの曲が伝わっているのは、彼の偉大さがよくわかります。

この曲は最近のカポエイラのメストレの CDにも度々歌われ使用されています。その歌い手によって少しずつ歌詞が変わったり曲調が変わったりもします。上記の歌詞も、100年以上口伝で歌われてきた間に元々の曲とは変わっているのかもしれません。

じつはカポエイラだけでなく、この歌はカポエイラ以外のブラジル音楽にも影響を与えています。

ブラジリアンポップミュージック(MPB)のNoel Rosaが1932年に発表した「 Fita Amarela」や、巨匠Baden Powell と Paulo César Pinheiroが作曲し1960~70年代のスーパースターのElis reginaが歌った「Lapinha」は、このビゾウロが作った歌を元にして作曲されたとして有名です。
ブラジルではサンバやポップミュージックがお互いに影響を与えたりミックスされたりすることは多々あります。そもそもサンバ、ボサノバは100年前には当時のポップミュージックでした。

今現代、Elis reginaの「Lapinha」の冒頭と末尾を切り抜いた下記の曲が、カポエイラの世界では有名な曲として広く歌われています。

Quando eu morrer
Me enterre na Lapinha
Calca, culote, paletó, almofadinha
Adeus Bahia
Zunzunzum
Cordao de ouro
Eu vou partir
Porque mataron meu Besouro

つまり、1900年ごろビゾウロが作曲した曲をもとに1970年に作られた曲を当時のElis reginagaが歌い、それをもとにした曲を現代のカポエリスタが歌っている、という逆輸入のようなことになるのです。

カポエイラの文化はブラジルの文化や音楽にあちこちで影響を与えていますが、この例は特に顕著に分かり易いといえるでしょう。

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