カポエイラジェライスのりゅうです。
カポエイラはブラジルの伝統文化、スポーツですが、今では世界中で楽しまれています。
東アジアではまだまだマイナーな認知度です。
ではなぜカポエイラが北米、ヨーロッパで盛んなのでしょうか。
これに関しては正式に研究や調査がされているわけではないので、
私が人から聞いたり調べたことからの考察を述べていきます。
まず考えるべきは、ブラジル国外でカポエイラが広まるために大きく寄与しているのは、
ブラジル人が国外へ出て移住しそこでカポエイラを教えているということです。
下表は外国に移住するブラジル人の状況です。
2000年のデータですので20年以上前のものですが、傾向は大きくは今と変わっていないと考えられます。
1.アメリカ合衆国 799,203
2.パラグアイ 454,501
3.日本 224,970
4.ドイツ 60,403
5.ポルトガル 51,590
6.アルゼンチン 37,912
7.イタリア 37,122
8.スイス 25,880
9.フランス 22,436
10.スリナム 20,015
11.ウルグアイ 19,667
12.ベネズエラ 15,606
13.イギリス 15,020
14.スペイン 13,110
15.イスラエル 11,002
16.オランダ 10,532
17.ボリビア 9,364
18.スウェーデン 7,000
19.オーストラリア 6,665
20.カナダ 6,458
出所:IBGE(ブラジル地理統計院)「人口統計地図(2000)」
これを見ると想像以上に日本に住むブラジル人の多さがまず目に入ります。
それ以外は北米とヨーロッパの多さが目立ちます。南米が多いのは近いという理由で納得がいきます。
ブラジル人の海外に移住する理由の1番は、「仕事」「より良い収入を求めて」です。
これはカポエイラにも当てはまることで、ブラジル人の若いカポエイラの指導者、指導者候補生たちの仲間に聞くと、皆海外、特にヨーロッパに移住してそこでカポエイラを教えてたくさん稼ぎたいということを言っていました。
ブラジルの給与水準は先進国に比べて今でも低く、長く続くレアル安も合間ってブラジル国外への出稼ぎ、移住は大きな夢の一つというようです。
もちろん英語など外国語の苦手なブラジル人にとって、言葉や文化の壁が大きく海外で仕事をするのはかなりハードルが高いことですが、カポエイラを教える知識と技術というのは、多少の言葉の壁もクリアできる分野です。
20世紀後半からブラジル国外でカポエイラを教える人が増えたのは、カポエイラの近年の状況を見ても明らかです。
ではなぜ北米やヨーロッパが多いかという理由は、
①給与水準が高い
②言葉、文化的なハードルが比較的低い
③ブラジル人にとっての欧米へのイメージ
こうしたことが考えられます。
「地理的にアジアよりもヨーロッパの方が近い」というのも、移住するのに有効な心理的な要因ではと考えます。
20世紀前半に日本とブラジルは相互に多く移民として受け入れた歴史があり、そこから今も多くのブラジル人が家族を頼って日本に移り住んでいます。
私は東アジアで日本が一番カポエイラが盛んであると思います。これもこうした背景から、ブラジル人の移民が文化の伝搬に寄与したと言えます。