カポエイラジェライス東京 |
2020/6/5
プシャーダジヘージとは、ブラジルの伝統的な文化、音楽、民族演劇です。
カポエイラの文化とも密接に関わりがあり、カポエリスタは時折、このプシャーダジヘージを文化として学び伝えられています。
プシャーダジヘージは、古くにブラジルのアフリカ系の労働者たちが行なっていた引網漁業が元となり、その時に歌われた歌、音楽が現代に伝わっています。
またその音楽とともに演じられる、ブラジルの民話に基づいた演劇でもあります。
バイーア州のお祭りや、様々なカポエイラのグループが主にこの文化を伝えています。
BahiaやMaceioなどの漁業が盛んな地域では、アフリカ系の労働者たちが引網漁業を行なっていました。
それは大変な肉体労働であり、大勢の男達が息を併せるのに歌を歌いながら、網を引いていました。
多くの歌は悲しい歌詞や哀愁のあるメロディーで、当時の彼らの生活の苦しさや仕事の大変さが伺えます。
その網を引くリズム、踏み込む足のリズムが、アタバキのリズムで表現される形で、歌や音楽として、儀式的に表現され、
またそこにストーリーを加えた演劇も生み出されました。
プッシャーダジヘージが演じられる際、演者は伝統的な漁師の衣装を纏います。大きな麦わら帽子に、白いズボン、上半身裸の男性が演じます。
女性が演じる際は、大きな白いスカートを纏います。
プッシャーダジヘージの演劇のストーリーは以下のような悲しいストーリーです。
ある漁師がいつものように夜の海に漁へ出かけようとすると、妻は何か悪い予感がして旦那を止めようとします。
しかし漁師はその忠告を聞かず、仲間とともにジャンガダと呼ばれる小舟で漁へ出て行きます。
妻は悪い予感を拭えず、海岸で彼を待ちます。
すると予定よりもはるかに早い夜の海から、彼の船が帰ってきます。
なんと船には仲間達しか乗っておらず、旦那は偶然に海に落ちたと聞かされます。
朝になって網を引くと、網に彼の遺体がかかり魚とともに引き上げられます。
仲間達は伝統的なビーチでの葬儀として、大勢で彼の遺体を担ぎ運びます。