カポエイラジェライス東京
              
                
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2020/3/19
カポエイラとの関わる言葉として「バトゥーキ」という言葉をたまに耳にしますが、
              
バトゥーキと呼ばれるものは複数あり様々な別のものをさします。
              
・1つには音楽ジャンル
              
・1つにはダンス
              
・そして今では消滅した格闘技のジャンル
              
です。またブラジル南部の一部で信仰される宗教もこの名のものがあります。
              
そもそも言語的には、ポルトガル語のハンマーを打つことを意味する「batucar」に由来します。
              
ここでは特にカポエイラと関係の深い「古い格闘技」のバトゥーキについて、またその他についても併せて説明します。
              
バトゥーキは、20世紀初頭にブラジルに持ち込まれ、現在は絶滅したアフリカの奴隷によってバイーアで行われたブラジルの格闘技でした。
              
同じ時期によく似た格闘技である「ペルナーダ」というものは、リオデジャネイロで盛んに行われていました。
              
              
以下は現在に伝わる少ない情報を集めた、バトゥーキの概要です。
              
カポエイラのホーダと同じようにプレーヤーは輪になります。
              
プレーする2人のうち1人が中央にディフェンスの姿勢で立ち、攻撃側が彼の周囲を動き回りながら攻撃します。
              
攻撃側のプレーヤーは脚での打撃を繰り出しながら、防御側のプレーヤーを地面に倒そうと試みます。
              
              
メストレ・ビンバの父はバトゥーキのチャンピオンであり、メストレ・ビンバが1930年頃に確立した「カポエイラ ヘジョナウ」スタイルは、動きにバトゥーキの動きを取り入れていたと言われています。
              
現在ではバトゥーキについての資料は少なく、動画なども残っていないため、本物の様子を伝えるものはありません。
              
バトゥーキはアフリカの島国カーボ・ヴェルデの伝統の音楽です。19世紀以降からの曲が現存しており、カーボ・ヴェルデのサンティアゴ、特にタラファルで今も残っています。カーボ・ヴェルデを占領していたポルトガルは、この音楽を「アフリカの謎のもの」として好意的ではありませんでした。都市部でも禁止されていた時代もあり、1950年代以降は絶滅寸前の音楽でした。
              
独立以降この音楽にも注目が向けられ、近年では若い音楽家達も研究作業を行い、新しい形を与えて世に送り出しています。
              
              
古来のバトゥーキの音楽には、社会的、宗教的な意味合い強く、聖日や冠婚葬祭のイベントなどに演奏されました。バトゥーキのダンスには性的な意味があるともされ、花嫁に子宝を授けるといった意味でも踊られたとされています。
              
現在ではこういった意味合いは薄れ、普通の音楽ジャンルとして楽しまれています。