カポエイラジェライス東京 |
2019/8/29
ブラジルのサッカーが語られる際、度々「ブラジルのサッカーにはジンガの心がある」というように、ジンガのステップがサッカーと結びつけられることがよくあります。
サッカーの神様と言われるペレ氏を題材にした映画でも、「ジンガ」の言葉がよく出てくるなど、広く知られるようになりました。
実際に、「ジンガステップ」という名のサッカーのドリブルのステップが日本で確立しているほどです。
ジンガはもともとカポエイラの基本のステップであり、それをサッカーのドリブルに応用した技術がそう呼ばれています。
このように日本のサッカー界では「ジンガ」がよく研究されています。
しかし「ジンガ」の言葉が本来の持つ意味から大きく逸脱した使われ方をしていることも多くあります。
カポエイラの「ジンガ」が過去の偉大なブラジル人サッカー選手に影響を与えているのは本人達の発言からも間違いありません。
ジンガはカポエイラの基本のステップですが、どういったものなのでしょうか
ジンガは横に一歩踏み込み足を引く動作を繰り返し、左右に交互に移動するステップを踏む動きです。
重心は低く保ち、片腕で顔の前をガードしています。
一定のリズムで動く様はダンスのようでもあります。
ジンガは攻撃や回避の予備動作でもあり、効果的に相手とのリズムを生み出しジョーゴ(組手)を成立させるものです。
またジンガは揺れ動くように相手を惑わせる、という見方もできます。
ジンガはカポエイラの動きですが、日本のサッカーなどでは時に大きく拡大した意味として使われ、ブラジル人の伝統的なリズム感を持った身体性、ブラジルの国民性そのものとして捉えられることがあります。
その原因はペレなどの有名選手が時折「ジンガ」という言葉をブラジルのサッカーのアイデンティティとして使用していたからです。
そこからジンガ本来の意味を知らずに使っているサッカー関係者も多くいるようです。
しかしカポエイラはブラジルの伝統文化であり、サンバやサッカーにも影響を与えていることに間違いはありません。
サンバやカポエイラのリズム感やバランスがブラジルサッカーの栄光の一端を担っているのです。