どうもりゅうです。
巻き肩という症状をご存じでしょうか。肩が前方に巻き込むように内側へ入り込み、肩のラインが本来の位置より前に出てしまう状態です。
現代では、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用、運動不足などが原因で、この巻き肩の状態に悩む人が非常に増えています。また、スポーツをしている方でも、特定の筋肉ばかりを使うトレーニングを続けた結果、気づかぬうちに巻き肩が進行してしまうことがあります。
巻き肩になると、見た目が悪くなるだけでなく、肩こりや首の痛み、頭痛、さらには呼吸が浅くなるといった不調が起こりやすくなります。また、スポーツのパフォーマンスにも大きく影響します。例えば、肩甲骨の動きが制限されることで投球やスイング、ランニング時の腕振りがスムーズにできなくなり、筋力や柔軟性が十分に発揮できなくなるのです。
カポエイラにおいても、巻き肩は大きな敵です。バナネイラ(倒立)やポンチ(ブリッジ)の動きは直接パフォーマンスに影響します。
基本姿勢のジンガやアウー、様々なキックの姿勢も崩れてしまい悪い影響が出ます。
■ 巻き肩を改善・予防するトレーニング法
巻き肩を改善・予防するためには、まず筋肉のアンバランスを整えることが大切です。巻き肩の多くは、胸の筋肉である大胸筋や小胸筋が硬く縮こまり、背中や肩甲骨周辺の筋肉、特に僧帽筋や菱形筋といった姿勢を保つ筋肉が弱まってしまうことで起こります。
【アプローチは2方向から】
①硬く縮んだ筋肉のストレッチ
②弱くなった筋肉のトレーニング
① 硬くなった胸筋・前面のストレッチ
● 大胸筋・小胸筋ストレッチ
胸のストレッチは壁や柱を使って行うのが効果的です。
方法:
壁の端や柱に片腕を水平に当てる
胸を開くように体を反対側へ回す
胸の前面が伸びる感覚を意識
片側30秒〜60秒、左右行う
片腕を壁につき、体を反対側へゆっくりとひねることで胸の筋肉が心地よく伸びていきます。このとき、肩がすくまないよう注意し、呼吸を止めずにリラックスしながら伸ばすことが大切です。
ポイント:肩をすくめず、自然な呼吸。無理な痛みはNG
● 上腕二頭筋(腕の前側)のストレッチ
手のひらを壁に当てて、腕を後方に伸ばす
胸と腕の前面が伸びる感覚を得る。上腕の前側、特に上腕二頭筋も巻き肩に関係するため、腕を後方に伸ばして胸から腕にかけて全体をしっかりと伸ばすとより効果が高まります。
② 背面の筋肉を鍛えるトレーニング
背面の筋肉を鍛えるためには肩甲骨を意識したトレーニングを取り入れます。
● 肩甲骨内転エクササイズ(肩甲骨を寄せる)
ローイング動作。これはチューブやダンベルを使い、肘を後ろに引いて肩甲骨を寄せる動きです。
チューブやマシン、ダンベルを使い、肘を後ろに引く
肩甲骨を寄せて胸を張る意識
10〜15回 × 2〜3セット
この動作を繰り返すことで、僧帽筋や菱形筋といった姿勢保持のために重要な筋肉が強化され、自然と胸が開きやすい姿勢が身につきます。
● Y・T・Wエクササイズ(自重 or チューブ)
うつ伏せ or 立位で、腕を「Y」「T」「W」の形に動かす。これは、腕をそれぞれY字、T字、W字の形に動かすことで、肩甲骨まわりの筋肉をバランスよく刺激します。
肩甲骨をしっかり寄せ、胸を開く
効果:僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋などの活性化、姿勢保持筋の強化
③ 体幹と骨盤の連動改善
巻き肩は単に肩だけの問題ではなく、体幹や骨盤の歪みとも深く関係しています。骨盤が後ろに倒れたり、体幹が不安定だと自然と猫背や巻き肩が助長されてしまうからです。以下のエクササイズで全体のバランスを整えることも重要です。
・プランクやサイドプランクで体幹安定
・骨盤前傾・後傾をコントロールする練習
・ヒップリフトなどでお尻の筋肉(臀筋群)の強化
これら巻き肩を対策するストレッチやトレーニングは、そのままカポエイラの技術向上のトレーニングと共通しています。カポエイラジェライス東京のクラスでも日々頻繁に取り入れて行なっています。
つまり、カポエイラの練習は巻き肩の対策にも効果的といえます。